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日本の針葉樹との出会い、2人が探り出すストーリー

真夏の空気の中で、杉の甘い香りが濃厚に漂っている。ここは岐阜県美濃加茂にある木工家の川合優がディレクターを務める〈SOMA〉のアトリエ。彼が手のひらサイズほどのかんなを手に取り滑らかにすべらせると、削り出された木くずがテーブルを巻きつくように現れる。この単純な作業から木の質感や形、そして香りを感じ取る。これら一連の工程をじっと目を凝らして見つめる2人の女性。 〈De Intuïtiefabriek〉のデザイナー、エフィエヌ・ボイルフとエバ・ゲバルドだ。

作り手が“それはとても難しくてできない”と言ったときが、ものづくりのスタート地点

オランダ・アムステルダムに拠点を置くデザインスタジオ〈De Intuïtiefabriek〉は、「TOKYO CRAFT ROOM」のプロジェクトにおける最初のデザイナー。日本のものづくりの現場を実際に訪れ、技術や制作プロセス、そしてそこに息づくストーリーを感じ取りながら、自分たちがデザインするプロダクトへとアイデアを膨らませていく。今回訪れた場所、岐阜県美濃加茂にあるSOMAで得たインスピレーションが、どうデザインに落とし込まれていくのだろうか。

「作り手が”それはとても難しくてできない”と言ったときが、ものづくりのスタート地点だと思っているの。技術や新しい手法に関する議論が生まれ、それが思いもよらなかったポイントやディテールへとつながるから。だから、私たちはできるかぎりの可能性を追求したいわ」と、De Intuïtiefabriekのデザイナー、エヴァは語る。

Ranma Cabinet

Size:
W1100 H1800 D400 mm

Material:
国産杉、美濃和紙