“SOFT COPY”「物質としての写真、立ち上がる写真」
curated by TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH
Date: 2026.10.16 fri 〜 10.25 sun
TOKYO CRAFT ROOMは、2026年10月16日(金)から10月25日(日)まで、TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCHの企画によるグループエキシビション『SOFT COPY』を、日本橋浜町のホテルやオフィスビルのロビー、開発過程のスケルトン状態のビルを舞台に開催します。

ものづくりが生まれた背景には、地域固有の場所性との密接なつながりがある。
TOKYO CRAFT ROOMは、HAMACHO HOTELにあるコンセプトルームの1室でありながら、東京という大都市を経由してクラフトの価値を編集し、未来へ繋げる活動と発信のメディアとしてのユニークな歩みを続けてきました。本展では、その視点を「写真」に向けます。
本展『SOFT COPY』は、写真に内在する「工芸性=クラフト」とその現代的な変容を出発点に、作家自身の手によって制作された写真から新たなテクノロジーを用いた表現まで、11名の作家による多様な作品を紹介します。
写真は、光や化学反応によって像を定着させる科学技術として発展すると同時に、暗室での現像や焼き付け、素材の選択と加工など、人の手による繊細な制作の積み重ねによって形づくられてきました。2000年代以降、メディアのデジタル化が進み、「ポスト・インターネット」や「デジタル・オブジェクト」といった概念が広く共有されるなか、写真は物理的な支持体から解放され、複製や変形、再構成を繰り返しながら自在に流通するものへと変化してきました。その一方で現在、作家たちはこうした写真の柔軟性を引き受けながら、そこに一時的な形や質量を与え、「モノ」として立ち上げる物質的な実践にもあらためて向き合っています。
本展では、アメリカの現代美術家であるアーティ・ヴィアカントの論考「The Image Object Post-Internet」(2010)が示した「イメージ」と「オブジェクト」の関係を手がかりに、現代の作家たちが写真の流動性をさまざまな素材や技術と結びつけ、イメージとオブジェクトのあいだに新たな関係をつくり出す試みに注目します。画像と物質、手仕事とテクノロジーのあいだを往来する作品を通して、写真における新たなクラフトのあり方を、日本橋浜町から発信する秋の10日間です。

イベント概要
展覧会名
SOFT COPY
会期
2026年10月16日(金) — 10月25日(日)
※開館時間:後日発表
会場
日本橋浜町トルナーレ1階 特設ギャラリー(東京都中央区日本橋浜町3-3-1)
Hamacho Hotel 1階(〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町3-20-2)
旧ダントービル 1階(東京都中央区日本橋浜町3-7-2)
+ その他 各サテライト会場
参加アーティスト
宇田川直寛、小川美陽、河原孝典、Koichiro Kojima、小山泰介、島内秀幸、築山礁太、西村祐馬、細倉真弓、山本華、余宮飛翔
企画
TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH
プロジェクトマネージャー
ベイン理紗
主催
TOKYO CRAFT ROOM / 安田不動産
観覧料
無料
TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCHとは
TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH(TPR)は、写真表現をベースとしたリサーチ・制作・対話を通じて、都市や社会を読み解くアーティストコレクティブです。2018年、オリンピックを契機とした大規模再開発によって変貌する東京を写真や映像で記録・表現・アーカイブするために発足しました。「都市の多角的なリサーチ」や「現代写真の実践的な探究」をミッションとして、未だ見ぬ都市と社会と人々の姿を可視化し、見出されたヴィジョンを未来へ受け継ぐことを目的としています。
過去7年間で70件を超えるプロジェクトを約80名/組のアーティストたちと実施するなど、TPRは多様な視点や価値観を共有するプラットフォームであり、世代、国籍、専門性の異なる領域横断的ネットワークでもあります。さらには、企業や行政、各国大使館や国内外の美術大学などとも連携し、都市の記録から地域リサーチ、ワークショップや教育プログラム、国際的な文化交流にも力を入れるなど、日本写真における文化的・社会的・経済的なエコシステムの創出を目指した活動を多角的におこなっています。
参加アーティスト Artists
宇田川直寛
1981年生まれ。2004年中央大学卒業。写真を手がかりに日用品や多様な素材を用い、生活と制作が交わる所を実践の場とし、日々の暮らしにある正しさや力関係に自らがどのように関わり応答できるのかを、制作を通して探り続けている。横田大輔、北川浩司とのアートユニット「Spew」や、アートコレクティブ「Culture Center」でも活動し、協働や即興的な変化を取り入れた制作を行う。主な受賞に第8回写真「1_WALL」ファイナリスト(2013)、キヤノン写真新世紀佳作(佐内正史選、2013)、「Foam Talent Call 2015」。主な個展に「パイプちゃん、人々ちゃん」(ガーディアン・ガーデン、東京、2018)、「庭の気がかり」(Sprout Curation、東京、2021)、「道具」(flotsam books、東京、2023)、「家のやり方」(ふげん社、東京、2025)など。
小川美陽
アーティスト。1996年大阪府生まれ。2020年奈良県立大学卒業。物理的な操作や身体的な行為によって記録のプロセスに介入し、写真や映像、インスタレーションによる作品を制作している。主な個展に「Story Fishing」(Gallery NEUTRAL、KG+2022、京都、2022)、「Not the moon, not the wind」(国際装飾株式会社、東京、2022)、「Intersum」(DELTA/KYOTOGRAPHIE Permanent Space、京都、2024)、「ROOM#609」(NOHGA HOTEL KIYOMIZU、京都、2025)。主なグループ展に「Ambiguous Hall」(YAU TEN ’23、東京、2023)、「NEW ANXIETIES – TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH in Seoul」(N/A、FF seoul、ソウル、2025)、「LinkArchiScape—建築ツーリズムをつなぐ」(重信会館、京都、2025)など。
河原孝典
写真家。1988年神奈川県生まれ。2019年日本写真芸術専門学校卒業。フリーのカメラマンとして活動すると同時に、人間の根底にある共通点を探し求め、近年アフリカ、東南アジア、南米の人々の暮らしを撮影している。ヒトを取り巻く環境への興味から自然の風景も撮影。流氷や海をテーマにした作品にも取り組んでいる。
Koichiro Kojima
写真家。1986年大阪府生まれ。舞台俳優活動、自主映画製作などを経て、2012年ワークショップ「夜の写真学校」を卒業。1924年創業の実家の写真館を営みながら、大阪を拠点に制作を続けている。写真を主な媒体とし、アナログ、デジタルを問わず作品シリーズごとに異なる実験的な手法を用いる。主な個展に「放たれたノイズは蜃気楼に侵入するか?」(JITSUZAISEI、大阪、2024)、主なグループ展に「SICF 26 2025」(スパイラルガーデン、東京)など。2026年10月、大阪、JITSUZAISEIにて個展「麻酔風景」を開催予定。
小山泰介
写真家/TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH代表。東京出身・在住。独学で写真を学ぶ。生物学や自然環境について学んだ経験を背景に、実験的なアプローチによる写真作品や映像作品、インスタレーションを発表している。近年の展覧会に、個展「UNIVERSAL FLOWING」(THE FLOW、大阪、2024)、グループ展「NEW ANXIETIES – TPR in Seoul」(N/A、ソウル、2025)、「浅間国際写真フェスティバル2025 PHOTO MIYOTA」(MMoP、御代田、2025)など。2013年度文化庁新進芸術家海外研修員。女子美術大学非常勤講師。有楽町アートアーバニズムYAU企画運営メンバー。
島内秀幸
アーティスト。1985年佐賀県生まれ、東京都在住。画一化が加速する経済システムに多用される写真画像に囲まれている日常を終わりなきカタストロフィと捉え、それらを「消去と蘇生」のキーワードの元に物理的に漂白・消去する方法により、複製・消費と言った写真的業から写真を解放し、新しい存在性を付与する制作を行う。受賞歴に、2023年「Watowa Art Award」ファイナリスト、2022年「Tokyo Frontline Photo Award」港千尋氏と小山泰介氏から審査員賞。主な展覧会に「I count three bodies」(ソノ アイダ#新有楽町、東京、2022)、「亡霊のジレンマ」(229 GALLERY、東京、2023)、「ミッシングリンク」(Syndicate、高松、2024)など。作品集に『Paralysis』(2025年、自費出版)
築山礁太
写真家。1997年東京生まれ。2019年日本写真芸術専門学校卒業。見ることへの関心から、道具(カメラ)によって新たに獲得できた視覚や、自身の置かれる役割、知識、身体性などによって獲得する視覚について、平面や立体を扱いながら写真作品として展開している。近年は狙撃と撮影の親和性をもとに、狙撃手と観測手が目標に対して行う観測、偵察、リサーチや戦術、偽装工作、カムフラージュなどの所作を撮影前後の過程に取り入れ、新たな視覚イメージの獲得を試みている。主な展覧会に「ENCOUNTERS」(ANB TOKYO、東京、2020)、「constellation #02」(rin art association、高崎、2021)、「P.O.N.D.」(PARCO MUSEUM TOKYO、東京、2021)、「窓の中の言葉について」(NADiff Window Gallery & MIDORI.so Bakuroyokoyama、東京、2022)、「ATAMI ART GRANT 2023」(熱海、2023)、「NEW ANXIETIES」(N/A & FF Seoul、ソウル、2025)、個展「S.L.L.S.」(COPYCENTER GALLERY、東京、2026)など。
西村祐馬
ビジュアル・アーティスト、写真家、グラフィックデザイナー。1995年東京都生まれ。2018年日本大学芸術学部デザイン学科卒業。個人の存在を未来まで遺すことをコンセプトに制作。ケビン・ケリーやレイ・カーツワイルなどの未来学者に影響を受け、人類の進歩とテクノロジーの進化がもたらす未来像を、写真を通して日常の光景へと現像する。主な展覧会に「Bilateral Reminiscence」(229 GALLERY、東京、2023)など。TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2022審査員個人賞など受賞。
細倉真弓
写真家。1979年京都府生まれ。東京在住。立命館大学文学部、日本大学芸術学部写真学科卒業。触覚的な視覚を軸に、身体や性、人と人工物、有機物と無機物など、移り変わっていく境界線を写真と映像で扱う。主な個展に「walking, diving」(Takuro Someya Contemporary Art、東京、2023)、「The Fluid Gesture」(ss space space、台湾、2025)など。主なグループ展に「TOP Collection: transphysical」(東京都写真美術館、2025)など。写真集に『NEW SKIN』(MACK)ほか。
山本華
アーティスト。1999年千葉県生まれ、フランクフルト在住。2022年多摩美術大学卒業後、2025年よりシュテーデルシューレ(ドイツ)に在籍し、ウィレム・デ・ロイに師事。物流の活発な地域で育った経験から、自分のいる場所とは全く違う世界を想像させるものに関心を持つ。これを軸に生活やフィールドリサーチに基づいた、あるいは集合的な記憶を扱った作品を制作。現在は映像やインスタレーションを中心に作品を発表し続けている。主な展覧会に個展「Stakeout」(2025年、Block House/東京)、個展「Offset」(2024年、Philosopher’s Stone/ソウル)など。
余宮飛翔
写真家。1990年東京都生まれ。2015年東京造形大学卒業。都内スタジオ勤務を経て、2018年よりフリーの写真家として活動。写真を起点に、記憶や想起されたイメージを重ね合わせ、複数の時間が交差する場を構築している。写真を切る、折る、貼り合わせるといった手作業や、ファブリックなどへのプリントを通して、写真、絵画、彫刻の領域を横断する。TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2023準グランプリなど受賞。主な展覧会に「Idemitsu Art Award展」(国立新美術館、2025)、個展「Paraiso」(HECTARE、2026)など。
本件に関するお問い合わせ
TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH / info@tokyophotographicresearch.jp
TOKYO CRAFT ROOM / tcr.hamacho@gmail.com